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毎日新聞の取材を受けたら、真後ろから刺された

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「生活保護で風俗やめられた」 なまぽちゃんが伝えたいこと | 毎日新聞
<お金に困って風俗やるしかないかもと思ってる女の子みんな生活保護受給すること>。生活保護を受給する女性がツイッターとブログで、こう呼びかけていた。SNS(ネット交流サービス)上で「なまぽちゃん」と名乗る女性は借金が返済できなくなって風俗業界...

毎日新聞デジタル報道センターの山下記者に取材を受け、記事になりました。
わたしが伝えたいことは基本的に、ブログの最初の記事に詰まっています。

生活保護で自分の人権に気付いた
あ、私も生活保護受けていいんだ。借金、風俗してまで返さなくていいんだ。気付くまで長い道のりだった。 毎日お腹痛くなりながら出勤して、ドブ臭い口に笑顔でキスして歯周病もらって、客には「普通にご飯行こうよ」と言われて、閑散期にはお茶挽いて、スタ...

これを起点に、わたしの経験をもとにお話してきました。
山下記者はとても柔軟にわたしの言葉を受け止め、ひとつの記事にまとめてくれました。とても感謝しています。

風俗はセーフティネットではありません

働いてるときから、「風俗はセーフティネット」なんて言葉、おかしいと思ってた。業務委託契約で守られないのに、お店にもイイ顔しなきゃいけない。稼ぎの保証もない。店の男性内勤は軽口でヨイショしてくるけど、実際の接客のしんどさなんてわかってくれない。

働いているときに、楽しいことがなかったわけじゃない。学びがなかったわけじゃない。自分の過去を否定するわけじゃない。
でも、わたしは、やらなくていいならやらなくてよかった。

危ないと思ったこともあるし、未だに消してもらえない写真もある。もしかしたら知らないうちに盗撮されてネットの海を泳いでるかもしれない。HPVワクチンだって確実じゃないし、もし何年後かに癌になったら、わたしの裸を誰かに暴かれ晒されたら、わたしはあの時間を死ぬほど後悔するだろう。

でも、求人誌に、店に、そんなリスクは説明されなかった。

取材を受けようと思った理由

取材を受けようと思ったのは、ツイートの通り。

わたしはあのとき、「風俗しかない」と思ってしまったから。

追い込まれて「ああ、わたしは風俗やるしかないんだ」と考えた瞬間の、あの過去の自分に教えてあげたいことを伝えたかった。

もっと人に相談してほしい。抱え込まないでほしい。自分を犠牲にしないでほしい。

もっと楽していい。

辛かった経験は『差別』なのか

わたしはこのブログやアカウントを全面に出して大丈夫です、むしろ出してください、と最初から山下記者に伝えていた。

生活保護バッシングについては上等だと思っていた。風俗やるかやらないか、その淵に立っている女性や、働きながら悩んでいる女性に届くなら、そんなヤジはどうでもいいと思っていた。アカウントを作ってからそんなのは慣れっこだし、心ない言葉には「心ない人だなあ」と思って取り合わなければ済む。

記事が出た後、わたしは真後ろから刺された。

生活保護バッシングのヤジじゃない、わたしがかつて同業だった風俗業の関係者からの非難が相次いで届いた。ネガキャンをするなと。

そのひとつ、スタッフを名乗る男性からこんな声が届いた。嫌でしょと決めつけてなんかない。救ってあげたいなんて大仰なこと考えてない。

「可哀想だと言われたくない」その気持ちは、なんとなく働きながらも思っていたから、理解できる。でも、記事をこんな風に受け取られるなんて、思いもしなかった。

『女の子が嫌な思いをした』と言われたことに、わたしはたちまち動揺した。辛くて辛くて泣いて泣いて謝った。

これらを傍観している人は、記事に対する批判を目にして、わたしがたまたま業界で辛い目にあっただけで、業界のネガキャンをしたいメディアに利用された当事者に見えたかもしれない。

だったら、どうしてこんなに、現場で働く女性が何度も何度も事件に巻き込まれているの?

わたしに関わらず、風俗業界の問題点をあげつらうと、ワーカーへの差別であるというレッテル貼りをされて対立する現象をよく見かけた。

いや、ちょっと待ってよ。

辛かった体験や、肌で感じた業界の問題点を語ることは、今働いている女性たちへの差別なの?

業界関係者からの言葉は鋭く突き刺さった。
でも、一旦その刃を抜いて考えてみる。
落ち着いて考えてみる。

……ゆうて、この人、女性を働かせてきた売上で生活しとる人よな?

いやいや、女性に選択肢増えたくらいで揺らぐ仕事なんかい!

福祉という選択肢があるよ! と言いたかったわたしの口を、どうして同じ立場だった人たちが塞ぎにくるのか理解に苦しんだけれど。
答えはシンプルだった。利害関係者だからだ。

わたしが苦しかったことは事実で、店で出会って一緒にしんどい思いをしてきた女性がいることも事実で。いまもしんどい思いをしている女性に、わたしは何度でも言いたい。風俗しかないなんてことはない。風俗はセーフティネットじゃない。

それでいいや。

8月29日にも、わたしが取材を受けたMBSでの放送がある。地上波でなまぽちゃんはちょっとあれなので仮名で「ナオ」としてインタビューに答えている。

これについても多分、批判が起きると思う。

でも、きっと、もう、大丈夫。

当ブログはは適宜情報のアップデートを行っています。記事の内容について詳しく知りたいことや、間違い、古くなってしまった情報があれば遠慮なくコメント欄やメールフォームからご指摘ください。
当ブログは適宜情報のアップデートを行っています。記事の内容について詳しく知りたいことや、間違い、古くなってしまった情報があれば遠慮なくコメント欄やメールフォームからご指摘ください。

コメント

  1. 風俗は行かないけど より:

    人権は確かにありますが、憲法が定めているのは権利だけではなく、勤労と納税という国民の義務も定めています。
    生活保護は、その他大勢の人間が、それこそ時には涙し、悔しさで唇をかみしめながらも辛い勤労に耐えて手にした給料から支払われる納税がなければ成り立ちません。
    自分の考えでは、程度の問題はあれ、仕事は辛いものです。
    人がしたくない事、できない事をやるからお金を支払ってもらえるとさえ思っています。
    確かにセーフティネットは必要でしょう。
    予期せず働けなくなった人が安心して生きていけるようにする制度は必要と僕も思います。
    なまぽちゃんは精神病と認められたからその権利はあるのでしょうが、ほとんどの国民には仕事する義務があると思いますし、その義務を果たすべく風俗で働いている人に、風俗で働かなくても生活保護があるよっていうのは少し違うんじゃないかなと思います。
    風俗はセーフティネットではない、これは事実。
    けれども、風俗なんてやらずに生活保護貰えば良いんだよってのは、少し違いませんか?
    借金しても債務整理しちゃえば払わなくても良いんだよ?ってのも違和感を感じます。
    働ける人は働いて、納税して借金があるなら少しずつでもちゃんと返す。
    大前提として、それが一番にあるべきで、生活保護は最後の最後だと思います。
    なまぽちゃんの考えは、風俗を生業としている男性スタッフにも、女性スタッフにも、やはり失礼なんじゃないかな。

    • 断崖みさき(なまぽちゃん) なまぽちゃん より:

      >人権は確かにありますが、憲法が定めているのは権利だけではなく、勤労と納税という国民の義務も定めています。
      生活保護法に定められている被保護者の義務は果たしています。そもそも人権の話をする時に権利と義務をセットで持ち出すのはナンセンスですね。

      >自分の考えでは、程度の問題はあれ、仕事は辛いものです。
      >人がしたくない事、できない事をやるからお金を支払ってもらえるとさえ思っています。
      楽しんでお仕事をする人もいれば、仕事以外の時間を楽しむために仕事をする人もいるでしょうね。
      「やりたくないことはやらない」というスタンスで仕事をして生活している人も世の中にいますので、もし辛いならどんな仕事でも身を壊す前に辞めたり転職すればよいと思います。
      また、風俗の仕事で発生する苦痛やリスクは他の仕事と並べて比較してよいものではありません。
      https://twitter.com/namapo_chan/status/1430892028477407241
      このツリーを参照してください。その他精神汚染も免れません。

      >けれども、風俗なんてやらずに生活保護貰えば良いんだよってのは、少し違いませんか?
      >借金しても債務整理しちゃえば払わなくても良いんだよ?ってのも違和感を感じます。
      誤読乙ですとしか言いようがないのですが、風俗で働く事を苦に思い、あらゆる病気や事件のリスクにさらされながら抜け出せないのであれば抜け出す方法があるという話です。
      【風俗は行かないけど】さんが会社員なのか何の仕事をされているかわかりませんが、ローンなど債務を抱えたまま何らかの事故で売春以外の選択肢を失った場合、本意でなくともゲイ風俗で働いて返しますか?それとも弁護士に相談しますか?私は弁護士に相談して欲しいと思っています。

      > 大前提として、それが一番にあるべきで、生活保護は最後の最後だと思います。
      風俗をセーフティネットにしないために生活保護をセーフティネットと主張してるんだよ!
      日本の生活保護の補足率はわずか2割なのにこれ以上ハードル上げるな。

      >なまぽちゃんの考えは、風俗を生業としている男性スタッフにも、女性スタッフにも、やはり失礼なんじゃないかな。
      風俗にご縁がないのにずいぶん気持ちの入ったコメントありがとうございました。

      • 生活保護は現物支給に! より:

        >生活保護の補足率はわずか2割
        生活保護の捕捉率って、英語で検索しても全くデータが出てこないのですが、各国で制度も違うのに、どうやって計算、比較して「低い」と判断してるんですか?

        ググると、(結論ありきの)日弁連のページしか出てこないですし、算出方法もわからないのに、なんで、日本の捕捉率が低いと言えるんですか?

        日弁連のページでは、フランスの捕捉率が90%ってありますけど、フランスのRSAは月額5万円程度の補助しかありませんし(しかも、職安で仕事を探そうとしていること等が条件になっている)、日本の生活保護よりも支援内容は遥かに薄いです。実際、パリにはホームレスめちゃくちゃ多いですしね。

        算出方法も良く知らないくせに、自分にとって都合の良いデータを引用しないでください。

  2. マスカット より:

    あなたは間違っていません。応援してますよ、頑張って!

  3. 匿名です より:

    こんなところにまで、セックスワークイズワーク、と言いたい人がやってくるんですね
    私が間違ってるのかな?なんて思いそうになったら、こう考えてください
    「この人たちは自分の大切な女性が、『風俗嬢になる、だって立派な仕事だから!』と言い出したら絶対に止める」と
    そんな人たちの言葉に、価値なんかありません
    価値があるのは、傷つき続けた体が教えてくれる本当の気持ちです
    どうか、ご自身の体に耳を傾け続けてあげてください
    それこそ、あなたにしかできない、本当に意味ある仕事です
    ・・・説教くさくなって、すみません

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この記事を書いた人
断崖みさき(なまぽちゃん)

どんどん受けよう生活保護。社不すぎて定職つけず風俗転々虫の貧困女子→諦めて自己破産して生活保護へ。現在は穏やかに暮らすことができています。精神障害者手帳2級所持。 #風俗はセーフティネットではありません

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